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初心者が印刷物入稿時に気をつけるべき12の事項

初心者が印刷物入稿時に気をつけるべき12の事項

初心者が印刷物入稿時に気をつけるべき12の事項

こんにちは三宅デザインの三宅健司です。
デザイナー歴は35年位。台湾での生活は20年以上になります。

今日は若いデザイナーに向けて、印刷物入稿時に気をつけることを紹介したいと思います。
(中国語ページに中国語翻訳を載せています)>>

平面デザインの初心者には入稿ミスはよくありますよね。私もたまにあります。
イラストレータを使って印刷入稿する時のミスを防ぐためのチェック事項を12項目あげます。
皆さんはちゃんとできているでしょうか?
初心者ではなくても、よくある間違いです。入稿前にもう一度、確認するくせをつけましょうね。

カラーモードがCMYKになっているか確認

皆さんご存知のように、印刷はCMYKで行われます。RGBはモニターの色です。
イラストレータ上で、塗り色や線の色を、RGBで指定していては、印刷できなかったり、色が大きくずれることもあります。
印刷会社でチェックをしてくれる場合もありますが、基本的に入稿はデザイナーの仕事です。
必ず印刷物はCMYKで入稿しましょう。
写真なども、RGBでなくCMYKになっているかチェックしましょう。

写真を1枚1枚フォトショップで開けて確認する必要はありません。イラストレータ上で確認できます。

ウィンドウ>リンクを開け、イメージを選択すればCMYKかRGBかがわかります。
図のようにCMYKになっていればOKです。
ここでRGBオブジェクトがあった場合は修正してください。

線を塗りの設定で指定しない。

罫線は「塗り」で指定するのではなく、「線種」でカラー指定してください。線幅ナシのラインはモニター画面やプリンターで出力したものでは細い線として見ることが出来ますが、印刷では出なかったりします。罫線は必ず線幅を指定して下さい。

0.25point以下のラインは使用しない。

0.25point以下の線幅ですと、かすれたような印刷結果にしかなりませんので必ず0.25ポイント以上で指定して下さい。
印刷会社によっては、罫線は0.3までを推奨しています。

細い文字は、掛け合わせを使わない。暗いバックに白抜きの細明朝はNG

細い文字は、色の掛け合わせを使わない。使っても2色までにしましょう。
写真の中の白抜き文字は太めに、小さく細い明朝は使わない。細い横線がかすれて読めなくなる場合があります。
暗い写真や暗い背景色で明朝を白抜きにする場合も注意しましょう。

特色は使っていないかチェック

通常の4色印刷(CMYK)の場合、特色は使えません、設定が特色になっていないかチェックしましょう。

トリムマークは必ず作る、また裁ち落としの箇所は塗り足しを作成。

必ずトンボ(トリムマーク)をつけましょう。また裁ち落としが必要な箇所には、必ず塗り足しを3mm以上付けましょう。

画像は埋め込まない、リンクで入稿

画像は埋め込みせずに、リンク配置での入稿が一般的です。(印刷会社によっても違いますから、入稿前に確認しましょう)
なぜなら、リンク画像であれば、1回目の色校正で写真の色を調整したい時に便利ですし、埋め込んでいると、調整後のデータなのかどうかわからなくなります。それに埋め込みだとイラストレータのデータが重くなり、データの受け渡しや印刷会社側の作業にも時間がかかります。
リンク切れを防ぐために、すでに作成した入稿用の画像はAIデータと同じフォルダに入れておくと安心です。そして、印刷物の中の写真点数が多い場合、よく以下のようなミスが起こりがちです。

・画像リンクが外れている。
・印刷会社への画像の渡し漏れがある。

リンク漏れはないかチェックしましょう。また、最近のイラストレータでは、パッケージ機能がついています。 入稿時にひとつひとつ写真を集めなくても、 パッケージ機能を使えば、印刷会社への渡し漏れを防げます。

ロックは解除しておきましょう

印刷会社では、こちらが渡した原稿を直接印刷するわけでは有りません。
オブジェクトをロックしていては、面付けのとき問題が起こりやすいです。
オブジェクトのロックは解除しておきましょう

重要な部分の色指定は最後にカラーチャートを見て調整して入稿

よくモニター画面の色と印刷の色が違うなどと、印刷会社にクレームを出す人がいますが、それは仕方がありません。
モニターはRGB、印刷はCMYKです。
またコピー機の出力の色は最近性能がアップしたとは言え、やはり多少印刷とは違います。
LOGO色など、重要な色はカラーチャートで確認するか、クライアントにLOGOの色指定について資料を提供してもらいましょう。
三宅デザインでは、食べ物やファッションなどの微妙な色の印刷物は直接印刷会社に出向いてチェックすることが多いです。

イラストレータのバージョンの確認

印刷会社によってはバージョンの指定があります。古いバージョンでしか印刷できない場合もあります。特に台湾では古いバージョンのイラストレータを使っている印刷会社がよくあります。印刷会社に問い合わせて、指示に従ってください。

特別な書体は、一緒に印刷会社に渡すか、アウトライン化してから入稿

台湾では全てアウトライン化して入稿するほうが一般的ですね。
一部分だけ、アウトライン化されてないなどのミスがないように気を付けましょう。
この時、一部分だけ文字がロックされていて、アウトラインされてない場合があります。
必ず、ロックは解除しましょう。

リンク写真の解像度が足りているかチェック

印刷で使う画像の解像度は、普通350dpiです。イラストレータ上にリンクした画像の解像度は足りていますか? 元の画像は350dpiあっても、イラストレータ上で拡大していれば、解像度は足りないことになりますよ。(これは、初心者で分かってない人が多いんですよね)
ギリギリ300dpi位あれば大丈夫です。時々、印刷物上でボケボケの写真を見かけることがあります。これは明らかに解像度が足りていないのです。
フォトショップで写真を開けてイラストレータ上の大きさの時、解像度はいくつになるか計算しましょう。解像度が低い場合は、 クライアントに用意してもらったり、イラストレータ上で画像を小さくレイアウトしたりするなど、工夫しましょう。 (※実際に使用する画像のサイズより、元画像のサイズが小さければ解像度が足りないことになります。)また、ものすごく大きなデータで入稿する人がいますが、大きければ容量の重い画像を入稿することになりますので、できるだけ無駄のないように、画像サイズを合わせておくのが無難です。

私たち三宅デザインは、日本と台湾で培った経験を元に、平面デザイン、ウェブデザインを通して、クライアントの悩みを解決しています。どうぞご相談ください。 また、一緒に働きたいというデザイナーの方、ご連絡ください。

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記事を書いた人

MIYAKE KENJI 三宅デザイン代表、デザイナー。

個人ブログ◆三宅健司の音楽日記 (ja)

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