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最近買ったデザインに関する書籍紹介します。その2

最近買ったデザインに関する書籍紹介します。その2

最近買ったデザインに関する書籍紹介します。その2

前回は最近買った平面デザイン・レイアウトに関する書籍を5冊紹介しました。その続きです。今回はレイアウトの本に加え、配色の本、デザインの考え方の本です。 今回もオリジナルの日本語版と中国語翻訳版が出ている本を中心に紹介します。

● デザイン・配色についての書籍

まず1冊目は、
「簡単だけど、すごく良くなる77のルール デザイン力の基本」
「基本設計力:簡單卻效果超群的77原則」

この本はデザインの基礎からちょっとした応用まで77項目にわたって解説してあります。文章もわかりやすく図版も多いので、是非初心者・中級者の人に読んで欲しいです。
日本語版は日本実業出版社から出ている「〇〇力の基本」というシリーズの中の1冊です。なので、カバーはシリーズの他の本と同じフォーマットになっています。このシリーズ中の1冊「文章力の基本」も私は読みました。

中国語版のカバーはシリーズではないので、台湾独自のデザインです。えーと、デザインを美しくする「黄金比」をモチーフにしています。「黄金螺旋」とよばれる図ですね。どうかな?それほど良いアイデアとは思わないけど。(ごめん)

2冊目は、
「カラーと配色の基本BOOK」
「OX 學會好色計:設計人一定要懂的配色基礎事典」

これは配色の本です。序章は、配色の理論が詳しく解説されていて、ちょっと難しくて中級者向けっぽい印象ですが、1章目からは作例とその配色修正例を解説してあり、初級者にもわかり易い内容になっています。

日本語版はカバーデザインが魅力的だったので、台北市内のジュンク堂書店で思わず手にとって買いました。カバーは大事ですね。中国語版ですが、カバーを見てびっくり。全く別物です。これは出版社がこういうデザインのほうが売れる、または消費者にわかり易いと判断したのでしょうか?

確かに台湾ではデザインやプレゼンの本に「○X式」って、ひと目で分かる本が多いような気がしますが……

3冊目:
「配色デザイン:インスピレーションブック」
「好設計の配色圖鑑:即翻即用,色彩搭配靈感見本帳」

4冊目:
「配色アイデア手帖:めくって見つける新しいデザインの本」
「配色點子手帖:127個情境式主題、3175種設計靈感的最強色彩教科書」

3・4冊目も配色の本です。2冊とも配色の理論書ではなく、配色辞典のような本です。配色って理論も大切だけど、このような本をパラパラめくって、「あーこの配色だ」と、そのままCMYKやRGBの数値をメモって使用するのも便利ですよ。

作業中のレイアウトの色を、あれこれ変えてみて「あー、これも違うなー」とか言って、時間をかけているデザイナーがいますよね。でも何も参考にしないで、配色を決めようと思っても初級者には難しいことです。こういう本とか、ウェブでpinterestとかを参考にするのが時間の節約です。っていうか私としては、配色のイメージ無しにコンピュータに向かうのは間違いだと思っています。その話は長くなるので、また別の機会に。

さて、カバーデザインですが「配色デザイン」の方は、日本語版のデザインがほぼそのまま活かされています。問題は「配色アイデア手帖」。これはデザイナー向けの配色の本なんだから、もう少し何とか…(以下省略)

 

● 水野学さんの書籍

次は台湾でも知名度の高いデザイナー、クリエイティブ・ディレクター、水野学さんの本を3冊紹介します。くまモンの生みの親としても有名ですね。

「センスは知識からはじまる」
「品味,從知識開始」
「センスは生まれついたものではない、あらゆる分野の知識を吸収・蓄積することで身につくもの」と言うような内容です。非常にわかりやすい文章です。デザインやマーケティングの専門用語もほとんど出てきません。デザインに従事する人だけでなく、全てのビジネスパーソンに役立つ本だと思います。自分はセンスが無い!と思っている方、ぜひ読んでみてください。

「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」
「創意,從計畫開始」
個人的に今回紹介する水野さんの著書の中で一番好きな本です。段取りが悪い人や会社ってたくさんありますよね(我社も良いとは言えないのですが)。商業デザインはアートではなくビジネスですから、時間や締切りの考え方っていうのは非常に大切なんです。デザイン業界に限らず、段取りを良くすれば、それだけ個人も会社も良くなりますよね。というわけで、どうすれば段取り良く仕事が進むか、という視点で書かれた本です。これも、業種に関係なく、全てのビジネスパーソンにお薦めです。

「アイデアの接着剤」
「點子接著劑」
「優れた商品、ヒット商品とは、ごく普通のアイデアとアイデアを結びつけることで生まれるものである」みたいな事が書いてあります。

さてカバーデザインです。
「センスは知識からはじまる」「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」中国語版では同じようなデザインになっていますね。どちらも時報出版という出版社からです。

「段取りの教科書」の中国語版タイトルは直訳すると「クリエイティブは計画からはじまる」みたいな感じです。タイトルもデザインも「センスは知識からはじまる」の第二弾といった体裁です。それはそれでわかりやすくて良いと思います。(「良いと思います」って私は何様だ!)

 

 

● 中国語版はまだ出ていないけれどおすすめしたい書籍

「なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉」(日本版のみ)

残念ながら、今の時点(2020/12)では中国語版は出ていませんが、良い本なので紹介します。
まず、カバーのNoritakeさんのイラストが目を引きますね。
この種の本の中では、ずば抜けて優れた内容だと思います。作例もただ良い例・悪い例と言うのでなく、「どんな人に」「何を」「なぜ」「いつ・どこで」伝えたいのかによって、こんな風に変えたら良いですよ、という当たり前だけど、多くの若いデザイナーに抜けている大切な部分が丁寧に解説してあります。作例もかなりレベルの高い優れたものです。若いデザイナーの方は必読です。当社の日本人営業には1冊ずつ渡しています。是非、中国語版を出して欲しいですね。

というわけで、今回は本の内容よりもカバーの批評(しかも辛口)が多くなってしまった感じもあります。すみません。
次回はfontに関する本を紹介します。

 

私たち三宅デザインは、日本と台湾で培った経験を元に、平面デザイン、ウェブデザインを通して、クライアントの悩みを解決しています。どうぞご相談ください。

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記事を書いた人

MIYAKE KENJI 三宅デザイン代表、デザイナー。

個人ブログ◆三宅健司の音楽日記 (ja)

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